未来創造塾 βヴィレッジ

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2007年に始動した未来創造塾事業は、学生や教員をはじめ、塾内外、国内外を問わず多くの人がSFCに滞在し、共に生活しながら半学半教を実践する滞在型の教育研究施設の整備を目指して進められてきました。

2015年には本事業の一環として学生・教職員・卒業生による「SBC(Student Built Campus)」が発足し、SBC合同研究会の学生と教員が中心となって「未来のキャンパスは自分たちで創る」をコンセプトに掲げ、既存キャンパスの北側に隣接するEAST街区を舞台に新しいキャンパス作りに取り組んでいます。このプロジェクトを通じて、デザインや用途が異なる全7棟の施設群を建設し、「計画」「設計」「施工」「運用・検証」「解体」までを自分たちで企画・運営することを目指しています。このプロジェクトは建物のハード面にとどまらず、そこで行われる教育プログラムや運用システムといったソフト面の開発にも取り組むことで、今までにない新しい大学のあり方を構想します。

SFC創設30年にあたる2020年には、すべての施設が竣工し、滞在型教育研究施設としてさまざまな活用を実施する予定です。しかし、運用や解体までを考えるSBCプロジェクトは終わることなく継続しています。今後は、施設内の什器の制作や、中庭の整備など、新たな課題に取り組みます。

施設の竣工を機に、これまで計画地としてEAST街区という名称を使用していましたが、正式なキャンパス内の名称として、β版など未完成を連想するギリシャ文字「β」をあしらい、「β(ベータ)ヴィレッジ」と呼ぶことにいたしました。これに合わせて各建物の名称もβ1、β2、β3、β4、βドーム、βスタジオ、βパビリオンと命名しました。施設の詳細は、SFC公式ウェブサイトでも詳しく紹介しております。

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メッセージ

  • kobayashi

    小林 博人

    政策・メディア研究科教授(滞在棟1、2、DFF-W)

    未来を創るキャンパスとはどういうものだろう、誰かに作ってもらうのではなく自分たちでそれを作ってしまえばいいのではないか、そんな発想がSBC(Student Built Campus)の発端でした。未来創造塾という大学主導のSFCキャンパス拡張のプロジェクトが進められていた最中のリーマンショック。先行きの見えない計画に、それなら学生が主体的に動いて新しいキャンパスを作ろうと2014年11月から活動が始まりました。慶応では福澤諭吉先生以外は学生・教職員・卒業生ともに門下生という学生(student)です。その学生がフラットに参加して、その空間の設計・施工からコンテンツとなる研究・教育や運営のプログラム作りに至るまでコミットする、今までにない自分たちの学びの場を作ろうとしています。未来の研究・教育とは何かという曖昧模糊とした目標に多種多様なアイデアが集まる中、どうやって全体として一つの目標に向かったまとまりを作れるか、どうやって個人個人のアイデアを押し殺さずに自由にデザインできるか、この両者を成り立たせるための方法論を考えつづけました。これはSBCの母体であるSFC自身が創設当初から目指している大学の方向性と重なります。

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    kobayashi

    小林 博人

    政策・メディア研究科教授(滞在棟1、2、DFF-W)

    未来を創るキャンパスとはどういうものだろう、誰かに作ってもらうのではなく自分たちでそれを作ってしまえばいいのではないか、そんな発想がSBC(Student Built Campus)の発端でした。未来創造塾という大学主導のSFCキャンパス拡張のプロジェクトが進められていた最中のリーマンショック。先行きの見えない計画に、それなら学生が主体的に動いて新しいキャンパスを作ろうと2014年11月から活動が始まりました。慶応では福澤諭吉先生以外は学生・教職員・卒業生ともに門下生という学生(student)です。その学生がフラットに参加して、その空間の設計・施工からコンテンツとなる研究・教育や運営のプログラム作りに至るまでコミットする、今までにない自分たちの学びの場を作ろうとしています。

    未来の研究・教育とは何かという曖昧模糊とした目標に多種多様なアイデアが集まる中、どうやって全体として一つの目標に向かったまとまりを作れるか、どうやって個人個人のアイデアを押し殺さずに自由にデザインできるか、この両者を成り立たせるための方法論を考えつづけました。これはSBCの母体であるSFC自身が創設当初から目指している大学の方向性と重なります。

  • matsukawa

    松川 昌平

    環境情報学部准教授(滞在棟4、パビリオン)

    1990年代なかばのPCやインターネットの普及によって、中央集権的だった情報の流れが自律分散化してきた時代背景はSFCの歴史そのものです。
    そして、2010年代なかばのデジタルファブリケーションの普及によって、モノの流れも自律分散化してきたことはSBCの歴史と重なります。ボトムアップなものづくりは理想ですが、自由すぎると全体性が創発しません。かといって、トップダウン的にデザインコードを設定しても部分的な多様性が損なわれます。私の役割としては、緩すぎず締め付けすぎず、混沌と秩序が共存するカオスの縁のような仕組みづくりを関係者と調整してきた6年だったと感じています。

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    matsukawa

    松川 昌平

    環境情報学部准教授(滞在棟4、パビリオン)

    1990年代なかばのPCやインターネットの普及によって、中央集権的だった情報の流れが自律分散化してきた時代背景はSFCの歴史そのものです。
    そして、2010年代なかばのデジタルファブリケーションの普及によって、モノの流れも自律分散化してきたことはSBCの歴史と重なります。ボトムアップなものづくりは理想ですが、自由すぎると全体性が創発しません。かといって、トップダウン的にデザインコードを設定しても部分的な多様性が損なわれます。私の役割としては、緩すぎず締め付けすぎず、混沌と秩序が共存するカオスの縁のような仕組みづくりを関係者と調整してきた6年だったと感じています。

  • ishikawa

    石川 初

    政策・メディア研究科教授(滞在棟4の中庭スペース)

    βヴィレッジの敷地の特徴のひとつはキャンパスの外との連続です。SFCを囲む人工の緑地は静かで緑の豊かな環境を作っていますが、周辺地域との繋がりを断ってしまっています。βヴィレッジはキャンパスの北端にあって、周囲には緑地がなく外部の住宅地や農地に直に接していて、地元の地域との繋ぎ目になる可能性を持っています。もうひとつは敷地の外部空間です。βヴィレッジは個別に機能や工法が検討された様々な建物が実験的に建てられています。そのため、敷地内の空地は整った庭ではなく大きな隙間のように不整形です。ここでは、強い象徴的な形を作るよりも、使いながら少しずつ継ぎ足すような作り方が相応しく思えます。そのような、建設というよりも「調整と最適化」とでもいうべきつくり方は、今後のランドスケープデザインのモデルになりうるものです。演習や実習の機会を使って学生とともにβヴィレッジの庭づくりに関わり続けたいと思っています。

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    ishikawa

    石川 初

    政策・メディア研究科教授(滞在棟4の中庭スペース)

    βヴィレッジの敷地の特徴のひとつはキャンパスの外との連続です。SFCを囲む人工の緑地は静かで緑の豊かな環境を作っていますが、周辺地域との繋がりを断ってしまっています。βヴィレッジはキャンパスの北端にあって、周囲には緑地がなく外部の住宅地や農地に直に接していて、地元の地域との繋ぎ目になる可能性を持っています。もうひとつは敷地の外部空間です。βヴィレッジは個別に機能や工法が検討された様々な建物が実験的に建てられています。そのため、敷地内の空地は整った庭ではなく大きな隙間のように不整形です。ここでは、強い象徴的な形を作るよりも、使いながら少しずつ継ぎ足すような作り方が相応しく思えます。そのような、建設というよりも「調整と最適化」とでもいうべきつくり方は、今後のランドスケープデザインのモデルになりうるものです。演習や実習の機会を使って学生とともにβヴィレッジの庭づくりに関わり続けたいと思っています。

  • saka

    坂 茂

    環境情報学部教授(スタジオ・ドーム)

    高校を卒業し,外国人は途中編入しか許されないNYのクーパーユニオンに入るため,まずLAのSCI-Arcへ入学した.そこで最初にやったのがフラー・ドームの建設であった.学生の手でも簡単にフレームが建ち上がっていくことに感動した.それ以来,B.フラーやF.オットーなど自分独自の構造システムや材料を開発する建築家に憧れた.ポストモダンや表面的木造など時代の流行に流されない建築家教育をSFCで行いたい.その意味で,このSBCプロジェクトは素晴らしい機会であった.

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    saka

    坂 茂

    環境情報学部教授(スタジオ・ドーム)

    高校を卒業し,外国人は途中編入しか許されないNYのクーパーユニオンに入るため,まずLAのSCI-Arcへ入学した.そこで最初にやったのがフラー・ドームの建設であった.学生の手でも簡単にフレームが建ち上がっていくことに感動した.それ以来,B.フラーやF.オットーなど自分独自の構造システムや材料を開発する建築家に憧れた.ポストモダンや表面的木造など時代の流行に流されない建築家教育をSFCで行いたい.その意味で,このSBCプロジェクトは素晴らしい機会であった.

βヴィレッジ

β1(滞在棟1)+βファクトリー(DFF-W)

SBCプロジェクトの幕開けとなる最初に実現した滞在施設

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β2(滞在棟2)+βキッチン

大きなキッチンと和洋室からなるオープンな交流の場

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β3(滞在棟3)

ディスカッションスペースとカプセルタイプの寝室を兼ね備えた3棟目の宿泊施設

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β4(滞在棟4)

個人での滞在専用となる4棟目の宿泊施設

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βパビリオン/β PAVILION

βヴィレッジの学内外への窓口

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βドーム/βDOME

研究成果の発表や展示会を行う施設

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βスタジオ/βSTUDIO

日本の建築物の中で紙管を原材料として使用した初の施設

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コンテンツは随時更新予定